途中工程品をMRP構成マスター設定をしたけど・・・うまくMRP対象外に設定できない
製品の設計図面には、それぞれの部品の加工図面、製品を構成されている部品表の他に・・組み立て工程品のASSY品の組図と呼ばれる図面が存在しています。
パソコンで例えると・・・キーボードのASSY品の部分とディスプレイのASSY品の大きなASSY品以外に・・・キーボードの基盤のASSY品と配線のASSY品といった具合により細分化した方が構成マスターをある程度・・階層化する際、ASSY品を途中に設定しておいた方がわかりやすいといった側面があると思います。
MRPに製品の構成マスタを設定する際には、出来るだけ図面の出図のレベルに合わせたマスタ登録をした方がわかりやすく、業務の効率化の妨げを防止できる側面があり、構成マスター設定の機能を活かして設定したいのですが・・・単純に構成展開を階層化して追加すると、途中工程品もMRP対象品という設定になってしまい・・・残念ながら思い描いていた展開と異なったものになってしまいます。
そこで、『MRP対象外』が途中工程品を通常設定で出来ない原因と対処法を解説したいと思います。
どうして!?製造途中工程品の構成マスタ設定ができないのか?
MRPの構成マスターを設定登録する際、『MRP対象』で所要量計算対象品となってしまうのは、例えば以下の理由が考えられます。
1、製造途中工程品の品目マスターでの対象区分設定が通常部品の設定と同一になっている。
MRPの構成マスターに設定登録する際、構成される各品目マスターの設定が不可欠ですが、この品目マスターの設定項目が通常部品と同一の設定のまま構成マスターに設定登録すると・・・所要量計算対象品=MRP対象品ということになり・・部品管理対象品という位置づけになってしまいます。
ここでは、構成マスターの階層設定をしたいだけなのに・・・これでは本末転倒・・・!?
逆に製造途中工程品の在庫管理って・・どの時点で在庫管理対象にするか・・線引きが難しいです(笑)。
2、製造途中工程品の品目マスターでの品目区分設定が通常部品の設定と同一になっている。
上記1と同様に、MRPの構成マスターに設定登録する際、構成される各品目マスターの設定が不可欠ですが、この品目マスターの設定項目が通常部品と同一の設定のまま構成マスターに設定登録すると・・【部品】【工程品】【製品】のいずれかに設定することになります。
多くの場合、途中工程品は工程品なので・・迷わず【工程品】を選択し設定するのですが・・・MRPでの設定項目という大前提があるので、所要量計算対象品での設定になってしまいます。
何とか構成マスタには登録したいが・・・このままでは所要量計算の対象外での設定が出来ていません・・。
MRP自動発注機能の構成マスターで必要資材所要量だけを手配する方法
製造途中工程品の構成マスタ設定方法!
MRP構成マスターは、所要量計算するためのデーターベースの1つとしての機能がメインなので、図面管理の製品構成階層の管理データーベースに合わせるには、通常設定の項目では対応しきれない現状です。
そこで・・・構成マスターだけでなく、品目マスターの設定項目もフル活用して設定します!
・品目マスターの対象区分を【MRP対象】から【MRP対象外】にする。
・品目マスターの品目区分を【工程品】ではなく【ファントム】にする。
・構成マスターの途中工程品の在庫区分を【構成する】から【構成しない】にする。
設定内容をシンプルに記載すると3つの項目を変更するだけなんですが・・・
【MRP対象外】にはすんなり設定変更できるとは思いますが、品目区分の【ファントム】はちょっと??で不安の方が多いのではと思います。
ちなみに・・私はファントムというと・・・オペラ座の怪人のファントムを想像してしまいました・・(笑)。
ジョークなようで・・実は認識としては近いですね~。
このファントム設定にすることで、在庫管理としては透明人間みたいな感じになるので・・構成マスターに展開し階層化をしても在庫管理対象にはなりません。
品目マスタのファントム設定だけですと・・波及範囲がその品目のみとなりますので、製品単位での構成マスターのファントム設定にするためには、構成マスターの在庫区分を【構成しない】にすることが必要不可欠です。
MRPの機能をすべて使いこなすことは出来ないとは思いますが・・人間の脳!?と同様にMRPの機能でまだまだ使用していない機能があれば積極的に用いて、更なる!?業務効率化による生産性の向上に寄与していきましょう!
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