小数点以下の金額設定が出来ないので・・部品発注手配ができない
新規に部品を発注する際、仕入先と発注単価を交渉すると思いますが、材料や消耗品類の多くで小数点以下の単価を提示される場合が多くあるため・・購入金額についても小数点以下の端数が生じることになります。
しかし、円の最小取引通貨単位(為替レートは除く)は、日常生活においては1円単位であり、1円以下の少数点以下の金額については何らかの方法で設定する必要があります。
ここでは、MRP生産管理システムに発注単価を設定する際、四捨五入や端数切捨て以外で・・小数点以下の金額が設定できない場合の対処方法を解説したいと思います。
どうして単価が小数点以下の金額になるのか?
部品発注単価が小数点以下の金額となってしまう背景は例えば以下の理由が挙げられます。
1、原材料においての発注単位と取引単位が異なる。
金属素材やパルプなどでは、元々【尺】や【寸】で昔取引されていた背景もあり、これを【1メートル】や【1枚】単位でMRP生産システムで発注単位を設定する場合、数量換算をすると・・・小数点以下の数字になってしまいます。。
例えば・・・1尺はメートル換算すると・・・0.30メートルになります。
上記のような小数点以下の単価をもとに必要な数量分の発注を行うと・・当然、発注金額も・・小数点を含んだ金額になってしまいます。
尺や寸は一般的には使われていないのにも関わらず・・・業界では暗黙の了解で・・未だに流通単位で使われているのが実情ですが、個人的にはメートル単位で統一してもらいたいですね(笑)
2、規格品(JIS規格)において市場での発注数量と設定したい発注数量が異なる。
材料の多くは、それぞれの業界の市場がありますが、例えばMRP生産システムでは、【1メートル】や【1個】の1単位で設定したくても業界の市場では最小単位が100やそれ以上の大きな数字での流通での単価設定のため、それを強引に1単位に単価設定を行うと・・・小数点以下の数字になります。。
市場の方が規模も大きく、MRP生産システムの設定概念に合わせることは厳しいのが現状ですね・・・(笑)。
経験則で申し上げますと・・ネジなどのJIS規格品などは1箱(1000本入り)単位での単価設定となっている場合があり・・1本単位だとなかなか売ってくれないこともしばしばありました(笑)
MRP発注単価で小数点以下の発注金額設定が出来ない場合の解決法~その1
発注単位と取引単位のどちらかに合わせるのが理想的なのですが・・残念ながら合わせることは困難なのが現状です(笑)
なので・・製品を設計する段階で使用する材料を共通化を図ることで資材所要量そのものを増加させたうえで、発注ロットそのものを大きくして購入金額が小数点以下の数字にならないようにしてます。
例えば・・上記のような現状1尺にて流通している材料を発注する場合は・・10尺分の数量を手配します・・・つまり発注は3メートルにて手配を行い、小数点以下の端数の発生そのものを防止します(笑)。
MRP発注単価で小数点以下の発注金額設定が出来ない場合の解決法~その2
規格部品のネジなどの場合は、1本単位だと・・小数点以下の購入金額となるので・・箱単位での発注をします。
これにより小数点以下の端数の発生そのものを防止するのは・・同様ですが、特にネジ類の場合は生産時にネジ山を潰してしまい不良となる一定の発生率を考慮すべきです。
そこで、倉庫管理上は・・在庫区分のABC区分の区分Cにて管理することにしています。
つまり・・ネジ1本あたり・・1円以下と金額が安いので・・資産在庫としてはカウントしない在庫区分にしています。
ただ・・ネジ類は箱単位で在庫することになり・・同じような大きさの箱が在庫棚に保管されるので、表示の寸法等の記載内容もわずかな違いになることが多くあります・・。
在庫カウント時に取り間違いには十分配慮する必要があります!(笑)
MRP発注単価で小数点以下の発注金額設定が出来ない場合の解決法~その3
ずばり・・・発注そのものを行わないということです。
仕入先へ原材料を支給した場合(加工費のみの発注単価)ではなく、原材料を自己調達した場合(加工費+原材料費)にてMRP発注単価を設定します。
ただし、発注単価だけをみると・・仕入先にて原材料を自己調達してもらった場合の方が高くなりますので、材料を自己調達したメリットのアピールをお忘れなく~(笑)。
一番のメリット!は・・原材料の在庫管理業務の工数軽減ですね~(笑)。
仕入先の場合は、遠方の場合もあり・・実質の在庫管理は仕入先の管理体制に依存しているが現状です。。
原材料を支給している場合、仕入先の在庫管理の精度が確保できていない場合は、在庫確認の手間が多く発生するため・・結果的には、在庫管理業務の工数増加となってしまいます。
MRP生産システムの目的のひとつでもある業務をシステム化することで業務工数の低減を図るということを常に念頭に置いていきましょう~。
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